電気工事・空調工事を中心にあらゆる設備工事を
安心とともに提供する、フィデス株式会社(千葉県)

FIDESレター

2020年オリンピックに向けて、有機ELテレビが注目を集めていますが、 実は、『有機EL照明』も今、注目されているんです。-FIDESレター【2017年7月号】

FIDESレター 2017年7月号

次世代型照明!有機EL照明

LED に続いて、よく聞くようになりました『有機 EL』。この有機ELを使った照明器具が、今注目されています。

そもそも、有機ELってなに︖

有機物に電圧を加えることで、有機物自体が発光する現象を有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)といいます。

有機物の分子構造の組み合わせは無限であり、それぞれの発色や耐久性が異なります。有機物を電気的に発光させる研究は20年以上前から行われていましたが、照明やディスプレイの利用に適した発光効率や耐久性を持つ有機物は、ここ数年でようやく発見され始めました。

有機ELは携帯電話ディスプレイではすでに実用化が始まり、最近ではスマートフォンの画面ディスプレイや、VR(ヴァーチャル・リアリティー)などに使われるヘッドマウントディスプレイ、テレビ用ディスプレイなど、有機ELを採用したさまざまな映像デバイスがすでに一般向けに製品化されています。

そしてこの有機EL、とりわけ照明の分野においては“白熱電球以来の発明”とも称されるほど、その革新性の高さが注目されています。

薄くて軽いからどこにでも使える

有機EL照明のパネルはとても薄いので場所をとりません。車や飛行機など、狭い箇所を明るくする時に便利です。

地球にやさしい省エネ照明

有機EL照明は白熱電球よりも少ない電力で光り、省エネに貢献します。さらに将来は蛍光灯よりも少ない電力で明るくできるようになります。

面全体が光るから自由なデザインに

有機EL照明は今までの照明と違って、パネルの面全体が光りますので、天井や壁一面を照明にすることもできるようになります。

紫外線が出ないので目や肌にやさしい

蛍光灯や太陽の光に含まれている紫外線は、物の色を変えるほどの影響がありますが、有機ELの光は紫外線を含まないので、目や肌にやさしい光です。

明かりを点けていないときは透明に

有機ELを使えば、向こう側が透けて見える透明な照明パネルを作ることもできます。たとえば窓に使えば、昼は太陽の光、夜は光を発するという照明窓ができます。

水銀を使わないから環境にやさしい

蛍光灯は少量の水銀を使っていますが、有機ELは水銀を使っていません。蛍光灯のように埋め立て処理をすることもなく、環境にやさしい照明です。

照明自体が曲げられる

蛍光灯などの明かりは本体がガラス製ですが、有機EL照明はプラスチックでも作ることができるので、曲げられる照明が作れるようになります。

次世代の照明・有機EL

これまで照明といえば、『点』や『線』の光源で空間を照らすものでした。『面』だと感じていた照明も、厳密には複数の『点』や『線』の光源を面状の照明カバーで覆ったものです。『点』の光源は本来、スポットライトなど狭い範囲を集中的に照らすのに向いています。

一方、『面』の光源は広い範囲を照らすのに向いていて、『線』の光源である蛍光灯は両者の中間に位置します。有機EL照明は、照明器具に依存することなく、それ自体が『面』で発光するものとして、初めての照明になります。

ほかにも、面の光源であることで、ぎらつきが少ない光で目に優しい、省スペース化が見込めるなどのメリットがあります。またデザインの観点でいうと、面状のインテリアと相性が良く、例えば壁やテーブルの面、さらにはカーテンや衣服の布が照明になる、というような近未来的な明かりが作れるようになります。

有機ELの発光原理

有機ELは、基板上に薄い膜を重ねた構造になっています。簡単にいえば、2枚の電極に有機物を挟んでガラスやプラスチックの基板に載せただけの薄くシンプルな構成です。有機物は3層から構成されるのが一般的で、真ん中の発光層を挟み、プラスとマイナスそれぞれの電極と接する輸送層を持ちます。輸送層は、電極から発光層へ向かう電荷をスムーズに運ぶ働きをします。有機ELに電圧を掛けると、2つの電極からそれぞれプラスとマイナスの電荷を持つ『正孔』と『電子』が発生します。この両者が発光層で結合すると、発光層である有機物はいったん『励起』と呼ばれる高エネルギー状態になり、これが元の安定状態に戻る際に発光します。

環境にも優しい照明

有機EL照明は面で発光するため、実際に照明器具として実用化される際のロスも少なく省エネルギーなので、CO2削減が全世界的に進む中で、有機EL照明の実用化に大きな期待が寄せられています。また、そんな発光効率に優れている有機EL照明は、まだ開発が始まったばかりの段階で、蛍光灯とほぼ同等の発光効率を実現しています。

蛍光灯は少量の水銀を含みますが、日本国内では廃棄後85%以上がリサイクルされずに埋め立てられています。水銀はRoHS指令(EUによる特定物質の使用制限指令)でも特定有害物質に指定されていますが、代替物質の未開発を理由に蛍光灯は例外措置を受け、使用が続いています。

その一方で有機EL照明は、廃棄時に有害となる物質を使用していないので、とてもクリーンな照明です。

将来、蛍光灯に代わって有機EL照明が主力照明となる日も、そう遠くない未来なのかもしれません。

『有機EL』と『OLED』との違いって?

有機ELは、世界的には『OLED(オーレッド)/(Organic Light Emitting Diode)』という呼称が一般的であり、こちらは有機ELの仕組みを使って作られた製品(化合物が光を発するライト)、すなわちLEDが進化した『有機発光ダイオード』を指します。ですが実質、スマートフォンやテレビのディスプレイおよび照明などについて話す場合、両者は同義の物として扱われるケースが多く、日本では『有機EL』、海外では『OLED』と表記する場合が多いです。

フリートーク・コラム「家族の一員!」

Fides Freetalk Fiormation

今回のコラム執筆を目の前に、『何を書いたら良いのか?』と、自宅のソファーで一人頭を抱えていたところ、「ニャー」という一声と共に、私の足元に愛猫が擦り寄ってきました。「難しい顔して何を考えているの?」とでも言うようなタイミング。「そうだ、世の猫ブームに乗っかって、我が家の猫について書こう!」と、考えが纏まったのです。

実は子供の頃から犬も猫も大嫌いでした。田舎で育ったもので、小学校の通学途中に、野良犬に追いかけられて泣きながら走って逃げたり、野良猫には大事なおやつを目の前で盗まれたりと、全くもっていい思い出がありませんでした。しかし、ガラッと変わる出来事がありました。

五年前のある朝、いつものように出勤した大網支店の事務所の裏口で、痩せこけた小さな子猫が佇んでいました。私の姿を見つけると、身体を震わせ、「ニャーニャー」と、か細い声で必死に訴えかけていたのです。しかも「お願い飼って!」と言わんばかりに妙に人懐っこい。いつもなら相手にもしない動物嫌いな私でしたが、今回は何故だか気になり、「じゃあ、夕方に俺が帰ってくるまで待っていたら飼ってやろう」と心の中で約束し、現場へ向かいました。

そして夕方、どうせ居ないだろう、と思っていたのですが…猫はその場で待っていました。約束したしなぁ…と思い、そのまま連れて帰り、子猫を見た家族たちは「何故?」と不思議がられました。その日はとりあえず段ボールの猫ハウスとキャットフードを用意して、新しい小さな家族を迎えたのです。

その後、爪とぎやトイレの用意をしたり、動物病院で予防接種を受けたりと大変でした。また、自宅のあらゆるところで爪を研いでしまい、壁中が引掻き傷だらけになり防御策が無いかといろいろ試しましたが、上手くいかず、今では猫のやりたい放題になっています。手間のかかる猫ですが、夜遅くに帰宅してもちゃんと出迎えてくれたり、朝も玄関まで見送りしてくれたりと、なかなか可愛いやつです。

人間と動物とは会話をすることができませんが、我家の猫は悩んでいる時、怒っている時などにも、絶妙なタイミングで「ニャー」と、一声かけてくれるのです。今ではその一声で、皆を癒してくれる大事な『家族の一員』です。

昔から『猫は三年飼っても三日で恩を忘れる』という諺がありますが、本当なのでしょうか。少なくとも我が家の猫は、五年飼っている今でも、かつて動物嫌いだった私に一番べったりと懐いてくれています。

小さなムードメーカーに癒されつつ、今後も頑張ってまいります。

今月の担当は…

取締役大網サテライトMG
林 浩

 

それってドーシテ?「ピクトグラムのドーシテ?」

代表取締役社長 細矢 充

ドイツ人の働き方に学ぶ≪前編≫お客様は神様!じゃない??

わが社は1980年、香港マカオから始まり、アジアでの先進国と言われたシンガポールを視察して以来、米国、中国、オランダ、英国、フランスなど海外研修旅行を続けている。

その中で最も衝撃を受けたのが米国だった。売上高や社員数などわが社と同規模の電気工事会社を訪問し懇談の場を持ち、建設現場を視察して日本の建設業界との違いを体感することが出来た。米国には業界特有の“元請け・下請け”の重層関係は存在せず、関係する業者がパートナーシップを結び、各社の責任において建築物を完成させる、その事実を目の当たりにして以来、米国の建設業界に憧れ、理想を追い求めて“脱下請け”を目指してきた。その成果だろう、社員旅行をただの物見遊山とせずに海外から客観的に日本を見つめ、グローバルな視野を養い変化対応してきたからこそ、今日のフィデスが存在する。

今回の目的地はドイツ、工業製品分野においては日本と競い合う技術大国であり、年間1,400時間しか働かないのに一人当たりのGDPは日本の比ではなく、世界ナンバーワンの生産性を誇る国である。ドイツ人の働き方、生活スタイルや人生観など、豊かさを生み出している源を探るべく空路5,900マイル、およそ11時間かけてフランクフルトに降り立った。

同日の夕方、ホテルにチェックイン、ロビーでツアーガイドから「間違ってもエレベータの中にある非常用ボタンを押さないでください。丸一日間、エレベータ内に閉じ込められることになります」と脅かされた。なんと「明日は国民の祝日で業者が休みのため、何かあっても翌日まで対応してもらえませんから」と言うのだ。なんだと!業者の休日を優先するのか、お客様は二の次ってことか、と思わずムッとした。この思いもよらない出来事でドイツ研修旅行は幕開けした。

程なくディナータイムを迎えた。気を取り直し、そうだドイツに来たからにはビールだ、ビールで乾杯だ、ビール、ビール、……だが待てよ、ボーイはたったの2名しかおらず、肝心のビールは待てど暮らせどテーブルに揃わない。長旅の疲れと重なりちょっと苛ついたが、ドイツの顧客対応にワンツーパンチの先制攻撃を喰らったような気分だった。

ホテルの部屋に常備されたアメニティグッズはシャンプーとハンドソープのみ、歯ブラシや櫛、カミソリなどは見当たらなかった。朝食バイキングはパンにベーコン、そして卵料理と野菜、フルーツはあるが、質や品数など四つ星ホテルとは思えない。日本独特のきめ細やかな接客や心配りなどに慣れきった身体には、根本的なサービスにおいてその差の大きさに驚いた。

翌日は金曜日、午後になると町に人が溢れだし、ビジネス街は雰囲気が一変してきた。デパートは土日に備えた買い物客でごった返し、店員さんを探すのも一苦労、それでも店員さんに慌てる様子は一つもなく、又、腹を立てているお客も見当たらない、粛々と人々は並んでいる。

ドイツではお客の数に対し、接客スタッフの数がかなり低いように思われた。接客の対応は、良く言えば寛容なのだろうが、日本人にとっては杜撰としか思えなかった。ドイツ人は気が長いのか、それとも日本人がせっかちで心の余裕が足りないのか、もっともっとドイツを知りたくなった。

ドイツ人は家族と共に過ごす時間を大変大切にするらしい。だから土日祭日は勿論、長期休暇の取得は当たり前だ。日本人的発想からすれば、デパートやサービス業にとっては、休暇中は大きなビジネスチャンスになるはずだが、国民全員が休暇に入るため、殆どの店舗は営業していない。外国人観光客にとっては買い物も出来ず、不便極まりない。

わが国では、昼夜を惜しまずお客様サービスを競い合い、土日でさえも休まずに顧客対応している。結果は24時間営業や当日配送サービスなどの過剰サービスが労働環境を悪化させているとも言える。過度の“お客様第一主義”や“おもてなし”から、行き過ぎたサービスが生まれているようにも思える。ここに日本とドイツの働き方の違いや労働時間、生産性の“格差”が隠れているのだろう。頭では分かっている、でも、もう少し質の高いサービスを受けたい、それなりの“おもてなし”で出迎えて欲しい、と言うのが偽らざる思いでもあった。日本は“お客様は本当に神様”であり、ドイツの顧客対応とは比べものにならない。今回の研修旅行期間中も、お客様の業務に絶対にご迷惑をお掛けしないようにと、事前に万全を尽くした。二班体制でフレックス的に出発日をずらし、又、参加出来なかった同僚に留守中の対応をよくよく託して旅立ってきた。

ドイツでは『お客様は神様』ではないのか?お客様の満足無しに経済は成り立つのか、企業が存続できるのか?高い付加価値を生み出す要因は?それらの真相を実証するために、ドイツの企業視察に向かったのである。果たして……その結果は次号で、乞うご期待!

hosoya
上部へスクロール