建物を守る「電気の防災」地震と通電火災
FIDESレター 2026年2月号
地震後の火災の過半数は『電気』が原因!
地震の揺れによる電気機器からの出火や、地震後の停電復旧時に発生する通電火災が、被害を拡大させる大きな要因となっています。
この危険性が広く認識されるようになったのは、1995年1月の阪神・淡路大震災以降です。この地震では、出火原因が判明している建物火災の約6割が電気によるものだったとされています。また2011年3月の東日本大震災でも、出火原因のおよそ6割強が電気による火災でした。
日頃から心がけておくこと
通電火災を防ぐには、日頃の地震に対する備えと注意が必要です。例えばヒーターなどの暖房器具のそばに燃えやすいものを置かない、使っていないコンセントのプラグは抜いておく、などの心掛けがあります。また、地震が起きてから屋外に避難する際には、必ずブレーカーをオフにしましょう。
通電火災を防ぐポイント
普段から使わない電気製品の電源プラグは、あらかじめコンセントから抜いておく(プラグの清掃も忘れずに)
電気ストーブなどの電熱器具の周りには、衣類や布団などの燃えやすいものや、水気のあるものは置かない
地震が発生して屋外へ避難するときには、分電盤のブレーカーをオフにしてから建物を出る
電気が復旧してから電気製品の使用を再開する前に、機器に異常がないかを確認する
でも、地震で慌ててブレーカーをオフにし忘れちゃうかも…!
そんな「かもしれない」の為に…『感震ブレーカー』がおすすめです!!
自動遮断!感震ブレーカー設置のおすすめ
感震ブレーカーは、地震が発生したときに設定値以上の揺れを感知した際、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具です。感震ブレーカーの設置は、不在時やブレーカーを切って避難する余裕がない場合でも、電気火災を防止することができます。
自動で電気を止めてくれるなら安心だね!
感震ブレーカータイプ一覧
製品ごとの特徴や注意点を踏まえ、適切に選びましょう!
コンセントタイプ
コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、電気を遮断します。
約5,000円~2万円
電気工事が必要なタイプと、コンセントに差し込むだけのタイプがある
簡易タイプ
ばねの作動や重りの落下によりブレーカーをオフにして電気を遮断します。
3,000円~4,000円程度
電気工事が不要
内閣府・消防庁・経済産業省発行『感震ブレーカー普及啓発チラシ』より引用・作成
▼感震装置のはたらき(分電盤タイプの場合)
●基本動作
地震検知から3分経過すると、主幹漏電ブレーカーを自動遮断します。
Q.
地震検知後3分以内に停電が発生した場合は?
A.
復電直後に主幹漏電ブレーカーを自動遮断します。
急に電気が止まっても困らないために…
感震ブレーカーは地震時に自動で電気を遮断するため、安全性が高い一方、突然の停電に備えた準備も重要になります。
生命の維持に直結するような医療用機器を設置している場合、停電に対処できるバッテリー等を備える必要があります。
夜間の照明確保のために、停電時に作動する足元灯(保安灯)や、懐中電灯などの照明器具を常備しておきましょう。
助成制度も活用しましょう!
自治体によっては、『感震ブレーカー設置助成制度』を実施しているところがあります。詳しくは、各自治体のHPなどをご参照ください。
【総務省消防庁WEBサイト】
都道府県・市区町村における感震ブレーカーの支援制度一覧(令和6年度版)
■ 感震ブレーカーを設置したい
■ 建物に合うものがどれか分からない
■ 地震時にどこまで電気を止めるべきか判断できない
■ 助成制度が使えるか知りたい
《フリートーク・コラム》「幕張新都心への移転」
昨年八月に本社を幕張新都心へ移転し、半年が経過しました。
今から三十年以上前、幕張新都心は開発が進み、活気に満ちた場所でした。当時、学生だった私は頻繁に幕張エリアに足を運んでいました。幕張メッセで開催される様々なイベントやコンサート、ショッピングモールでの買い物など、幕張は私の行動範囲の一部でした。海に面した開放的な雰囲気と、ビル群を見るたびに、「卒業後はこういう場所で働きたい」と憧れていました。
幕張といえば、当時若者の間で有名だったスポットがいくつかあります。その一つが「ナンパ橋」と呼ばれていた橋です。正式名称は別にあるのですが、週末の夜になると若者が集まる場所として知られていました。また、「ゼロヨン」という言葉を覚えている方もいるかもしれません。これは四〇〇mのドラッグレースのような加速を楽しむ場所として噂になっていました。広い道路と整備された環境が多くの若者を惹きつけていたのだと思います。卒業後、当社に就職しましたが、幕張で働く機会には恵まれませんでした。それから三十年の時が流れ、まさか自分が勤める会社が幕張に移転するとは、不思議な巡り合わせです。若かりし頃に抱いていた「幕張で働きたい」という願いが叶うことになったのです。
幕張への移転は、単なる場所の移動以上の意味を持っています。特に今年、創業八十周年を迎えた当社にとって、新たな拠点での再出発は大きな節目となりました。社長が新年の挨拶で触れられていたように、幕張移転は次の百年に向けた一歩だと感じています。
リクルート面での変化も期待されます。幕張という立地は、若い人材にとって魅力的な職場環境です。最新設備を備えた近代的なオフィスは、人材を惹きつける要素となることが期待できます。創業八十年の歴史を基盤としながら、新しい環境で次世代の人材を育てていくことが、これからの当社の発展に役立つと思います。
お客様との関係においても、幕張という立地はメリットをもたらします。首都圏へのアクセスの良さは、多くのお客様のところへ訪問しやすい環境です。周辺の商業施設は、交流の場としても活用できるでしょう。社内コミュニケーションの活性化も期待されます。八十年かけて築いてきたお客様との関係をさらに深められる場として、幕張の新拠点が機能していくと思います。
思い出の地に自分の勤める会社があることに、まだ実感が湧きません。当時、オフィスビルを見上げながら抱いていた夢が現実になったこと、そして八十周年という年に幕張移転を実現できたことに感慨を覚えます。
実は、このコラムを書いている今も、新しい本社にはまだ限られた関わりしか持てていません。業務の都合もあり、同僚から話を聞きながら想像を膨らませている段階です。実際に足を運びながら、その空気を肌で感じられる日を楽しみにしています。
今月の担当は…
取締役MG
小林 裕
《それってドーシテ?》捺印・押印のドーシテ?
《社長コラム》
継続は力なり。シンガポールで見た”あたりまえ”
代表取締役社長 細矢 充
おかげさまでフィデスは創業80周年を迎えました。この節目を機に、昨年、海外研修旅行としてシンガポールを訪れました。この研修旅行の目的は、わが社の基本方針である「環境整備」の一部である整理・整頓・清潔・清掃が、国や街のレベルでどのように実践されているのかを自分たちの目で確かめ、肌で感じることでした。
30年前にも訪れたことがありますが、街の印象は大きく変わっていました。埋め立てで国土面積を広げ、建物は空に伸び、成長し続けている都市と強く感じました。さらに印象的だったのは、見た目の美しさだけでなく、街づくりの中にサステナブル(持続可能)の考え方が組み込まれていることです。チャンギ空港の見学では、省エネ、資源の使い方、廃棄物の減量、緑化の活かし方などが、単発の取り組みではなく“長期的な仕組み”として回っていました。環境への配慮を、快適さや安全性と両立させる姿勢が理解できました。『街づくりが進む背景に何があるのか』が気になったところです。
ツアーコンダクターの話では、「シンガポールでは国策の方向性が一貫しており、長い月日をかけて計画的に実行している。リーダーが方針を定め、議会、個人、企業が同じ方向を向いて進めている」とのことでした。その結果、国民全体がこの価値観を共有することで、街や国全体の価値が上昇し、国力が強固になると信じているのでしょう。確かに道路、歩道、緑、建物の並びまで整っていて、きれいにすることが“あたりまえ”という文化が根付いている、まさに『継続は力なり』で成果が生まれているのです。
一方で、物価は正直かなり高い。しかし、それに見合う給与や待遇があるから成り立ち、その上で国の成長につながっていることを国民は知っていると感じます。政治の仕組みや文化の違いはありますが、“継続できる仕組み”の強さを実感しました。
社長になって15年が経ちますが、振り返ると反省することばかりです。計画は立てる。しかし実践が追いつかない。『忙しさ』を理由に後回しにしたり、担当者に頼ってしまったりして、結果として“続かない”ことがありました。社員の皆さんは日夜懸命に取り組んでくれていますが、目の前の業務に追われて仕組みの構築が疎かになっていたと今になり痛感しています。計画を立て、続けて、測って、改善していく姿勢を目の当たりにし、『できない理由を探すのではなく、できる方法を考え、形にする』ということを改めて教えられました。
フィデスでは、経営手法としてバランススコアカード(BSC)を採用しています。全社方針を立て、計画に落とし込み、全社員で役割と責任を持って実践し、きちんと測定し、改善へつなげる――この流れは今回の学びとまさに重なります。改めて「このやり方は理にかなっている」と確信しました。大切なのは、BSCを“評価のため”だけに使うのではなく、誰がやっても回る実践的な仕組みとして定着させることです。そして、その仕組みを支える人財を育て続けることこそが、これから最重要な“人財戦略”だと考えています。計画を絵に描いた餅にせず、実行することで信頼は積み上がっていきます。さらにあたりまえの安全・品質・納期に加えて、省エネ・脱炭素・資源循環といったサステナブルの視点も、技術として磨いていかなければならないと再認識しました。シンガポールで見た『計画・実践・継続』を学び、フィデスが存続する力に反映させていきます。
80年は通過点です。足元のあたりまえを追求し、社員一同、しっかり取り組んでまいります。



