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FIDESレター

寒さもなくなり、暖かい陽気になりました。 夏本番を迎える前に、エアコンについて見直しをしてみませんか?-FIDESレター【2017年5月号】

FIDESレター 2017年5月号

見直して見よう!エアコンのあれこれ

事務所や店舗、ビルや施設など、現代では建物に欠かせない設備のひとつ、エアコン。本格的な夏本番を迎える前に、一度エアコンについて見直してみませんか?

見直しポイント①エアコンクリーニング

なんとなく使っているそのエアコン、そういえば、エアコンのフィルターを綺麗にしているのに何故か臭う…、長年使っているせいか、変な作動音がする…というようなことはありませんか?

実はその原因、エアコン内部の『汚れ』のせいかもしれません。エアコンのフィルターだけお掃除しても、カバーの奥には汚れが残ったままです。その中には、臭いの原因となるカビや、ハウスダストの元やアレルギーの原因となるホコリなどがたくさん含まれています。また、汚れによってエアコンの動作に負担がかかり、必要以上に多くの電力を消費し、電気代がかかってしまいます。

エアコンを分解し、内部まできちんとクリーニングすることで、汚れによる臭いや機器への負担を改善することができます。普段はこまめにフィルターをクリーニングし、そしてプロによる内部クリーニングを定期的に行なうことをおすすめします。

内部クリーニングのメリット

風が清潔になり、ホコリやカ ビなどのまき散らしや、嫌な ニオイが無くなります。
定期的な清掃をすることで、 汚れなどによる物理的負担が 機器にかからず、耐用年数を 延ばすことになります。
冷房・暖房効率がアップし、 余計な電力を消費しない為、 電気代の節約にもなります。
↑エアコン内部からでる汚水。 ホコリやカビなどによる汚れで 真っ黒になることも……。

エアコン内部クリーニングの流れ

本体の動作確認の上、外装パネルを取り外し、エアコン内の各種部品を分解して外していきます。

水の飛散を防ぐためにエアコンの周りや、必要に応じて周囲の部屋の壁や家具、家電などに養生(シートでカバー)をします。

高圧洗浄機などの機械を使い、丁寧に洗浄、汚れを落としていきます。奥まで入り込んだカビやヤニ、バクテリア、ホコリ等の洗浄を繰り返します。

取り外した各種部品などもきれいに洗浄します。すべて洗浄後、乾燥させ、元の通りに組み立て、全体を乾拭きします。

見直しポイント②フロン排出抑制法による点検義務化

2015年4月から施行されたフロン排出抑制法において、業務用冷凍空調機器(全ての第一種特定製品※)の点検が義務化されました。この為、ビル用や店舗・オフィス用などの業務用エアコンや業務用スポットエアコンなどにおいて下記のような点検が必要になります。
※第一種特定製品…業務用エアコンディショナー及び冷凍冷蔵機器であって、冷媒としてフロン類が充填されている機器を指します。

見直しポイント③2020年冷媒ガス問題

古い業務用エアコンによく使われていた HCFC(R22冷媒等の特定フロン)の削減・全廃が1987年のモントリオール議定書※にて決められ、2015年には基準生産年(1989年)の10%以下となり、そして2020年には実質全廃となります。(右上グラフ参照)

各メーカーはすでに冷媒の切り換えを完了しており、約10年以上ご使用のエアコンの急な修理の際に、この冷媒が手に入らなくてすぐに直せない、または修理費用の高額化、という事態が発生するおそれがあります。是非、故障をする前に
入替えをご検討下さい。
※モントリオール議定書……1987年にカナダのモントリオールで開催された国際連合環境計画会議で採択された、オゾン層を破壊するフロンを規制する内容の議定書。

冷媒って何︖

夏に庭などで『打ち水』をしている風景を見かけますが、これはまいた水が蒸発する時に、地面や周囲の空気から熱を奪う、つまり水の蒸発を利用した、一種の冷房手段です。液体が気体になること、すなわち蒸発により周囲の物体から奪う熱のことを『蒸発熱』といい、エアコンはこの原理を応用したものです。

エアコンは、低温でも非常に蒸発しやすい液体である『冷媒』を使った圧縮ガスが用いられています。この冷媒ガスを調整弁で圧力を下げて冷却管に流し込むことで、ガスが低温で蒸発します。その際に周囲の熱を奪うことで、空気やものを冷やしたり凍らせたりすることができるのです。

フリートーク・コラム「工事現場は動物園?」

Fides Freetalk Formation

はじめてのコラムに「さて、何を書いて良いものか…」と思案していると、新入社員の研修中に「設計図面や現場の柱などに、『FL+1300』とか、『FLプラス』など書かれていますが、『FL』とは何の意味ですか?」と質問されました。

今では慣れ親しんだ用語も新入社員にとっては目新しいものばかりでしょう。そういえば、私も30年前、工事現場で職人さんと先輩が喋っていることがほとんど理解できませんでした。言葉の意味が分からず、何度も聞き直しては怒られていました。

ある日、先輩から「『カラス』を持ってきて」と言われ、「え!カラスですか…どこにもいませんけど」と答えると、「そこのプライヤーのことだよ」と言われました。私が初めて知った建築用語でした。

皆さんの職業にも様々な専門用語があると思います。建設業には多くの隠語や用語があります。

では問題です。Q:『実はカラス以外にも、犬、猿、馬、虎や鳩の名のついた用語があります。それらは一体何でしょうか?』

分かりましたか?建設業に携わる方はすぐに分かると思いますが、正解は、
『犬:犬走り』『猿:モンキーレンチ』『馬:立馬(脚立)』『寅:黄色と黒色のトラロープ』『鳩:鳩小屋』
です。建設現場は動物園のようです。

その他にもトンボやタコ、鴨など、様々な動物の名前が付いた工具や用語がたくさんあります。ちなみに、諸説ありますが、『モンキーレンチ』って、猿でも使えるレンチだから、モンキーレンチと命名されたそうです。調べてみると『はぁん』と納得でき、楽しく覚えることが出来ます。皆様の職場でも専門用語の由来について調べてみては如何でしょうか?

冒頭に新人から質問された『FL』とは、『フロアーライン』もしくは『フロアーレベル』のことで、床の仕上げ面の高さのことでした。

それでは、今回はこの辺で失礼します。また、皆様に紙面でお会いできる時を楽しみにしております。

今月の担当は…

常務取締役
木島秀昭

JECA FAIR 2017~第65回電設工業展

それってドーシテ?「倍数詞のドーシテ?」

代表取締役社長 細矢 充

千産千翔《千葉から翔ばたく》

『地方創生私募債』ってご存知ですか。これは『みらいはぐくみ債』という愛称で通常の社債とは異なり、発行額の手数料の一部分を教育関連の物品購入に充て、発行する企業が指定する学校に寄贈するもの、なのだそうです。創業からご支援いただいている千葉銀行様から、そんなご提案を頂きました。

千葉の、そして日本の“みらい”を担う若い人財を“はぐくみ”、企業と共に地域社会にも貢献して地域を元気にすることが目的であり、わが社でもその取り組みに共感し、採用することに致しました。この取り組みに千葉県内の多くの企業が賛同し、私募債を発行しているそうです。(詳しくは千葉銀行HP『みらいはぐくみ債』をご参照下さい)

早速、県内の主な工業高校をお訪ねし、その主旨をご説明致しました。「少子化が進み、建設業界は人財不足、技術者の高齢化が深刻になっています。しかし、建物の生命線として、なくてはならないのが建築設備です。この業界の将来を担う、電気科の生徒の皆さんの技術向上に、役立ててほしいのです」とお伝えしました。
 
その時ふと脳裏をよぎったのは、高校時代の恩師の言葉でした。東京のレストランに就職を決めた同級生に「三年間も電気科で専門技術を身につけたのに、どうして就職先が飲食業なんだ、悔しいね、いや、調理師が駄目なんじゃない、折角、電気を学んできたのに、なんでそれを活かす職業に就こうとしないんだろうか」正に嘆きに近い言葉でした。当時、先生の”熱い思い”を深く理解出来ませんでしたが、思い返せば、学んだ電気の知識を活かして活躍をしてほしい、という親心であったのだと思います。

私募債発行制度を活用することにより、前述の工業高校に電気工事用の工具や試験測定機器、パソコンなど、各校の希望する教材をお贈りすることが出来ました。これからこの寄贈品が、多くの生徒の学力や技術の向上に貢献してくれるはずですし、ゆくゆくは我々設備業界で活躍してくれることも期待しています。

勿論、就職先は個々人の意思や環境に左右されるのですが、生徒の皆さんの夢や人生を選択するきっかけとなり、役立てればとも願っています。

首都東京はオリンピック景気で活況を呈しています。東京には魅力的な仕事が溢れているのでしょう、若い人達の関心は都心へ都心ヘと集まり、優秀な人財が吸い込まれています。その背景には若者の都会への憧れ、千葉からのアクセスの良さ、賃金などが大きく影響していると思われます。当然ながら、誰しも活力のある地域、業種や企業で活躍したいと思うはずです。設備業界も、技術者の卵たちがわれ先に『設備業界で働きたい』と望むような、魅力ある業界や企業を目指して、もっと努力せねばなりませんが……

“雇用の創造”は重要な社会貢献のひとつであり、魅力ある企業や業界にする努力が必要です。また、活躍する場をつくり、人を育てることも企業の使命です。しかし、人を育てるのは大変な手間隙が掛かります。わが社でも積極的に採り入れているインターンシップ制度は、学校生活のうちから社会と接し、ビジネスマナーや社会のルール、技術力が身につきます。それは企業にとってもありがたいことですし、企業と教育の場が一体となって地域の活性化に繋げることも出来るのです。

生徒たちにとっては資格の取得や技術の習得は、必ずや専門職への関心につながり、入職後も遣り甲斐を得ることが出来ます。企業にとっては若いパワーに溢れ、活気が漲ぎり、業績が向上します。すると、さらに優秀な人材が必要となり、活性化の善循環が始まります。千葉で生まれ育った生徒たちが社会に翔び立ち、必ずや千葉や日本のために貢献してくれるに違いないのです。“ものづくり大国”日本の復活を願い、世界の檜舞台で活躍することに大きく期待し “みらいはぐくみ債”が将来の技術者への素晴らしい贈り物となることを祈念しています。

最後に千葉銀行様のご提案、そして各校の校長先生をはじめ、先生や職員の皆様のご尽力に改めて感謝申し上げます。

hosoya
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