エアコン2027年問題
FIDESレター 2026年7月号
エアコン2027年問題とは?
省エネ法のトップランナー制度に基づき、2027年度から経済産業省による家庭用エアコンの新たな省エネ基準が適用されます。この省エネ基準の引き上げにより、今後は省エネ性能の高い機種が中心となり、従来の安価なモデルの一部は販売が見直されると考えられます。その結果、エアコンの本体価格は全体的に上昇することが懸念されています。
2027年度の省エネ基準の引き上げは、壁掛形の家庭用エアコンが対象になります!
エアコン2027年問題の影響
格安モデルの消滅
省エネ基準の引き上げにより、基準に満たない低価格モデルは、今後市場での取り扱いが減少すると見込まれています。
本体価格の上昇
省エネ性能を高めるための新技術やパーツが必要になるため、販売されるエアコンの平均価格が引き上げられる可能性があります。
\ 慌てる必要はありません!エアコン2027年問題、ここがポイント /
新基準を満たさない低価格帯のエアコンは、2027年から販売されなくなるの?
2027年からの新たな省エネ基準は、基準未達のエアコン機種をピンポイントで製造・出荷禁止にするものではなく、あくまでメーカーごとの製品全体の平均値で達成を求める「トップランナー制度」に準拠したものです。基準を満たさない安価なモデルであっても、メーカーが他モデルで目標を達成していれば製造・販売自体は可能なので、低価格帯のエアコンが突然なくなるということにはなりません。
今使用しているエアコンは、2027年から使えなくなる?
トップランナー制度は、製品を製造・出荷する製造事業者(メーカー)などに対して適用される制度です。ご家庭において現在使用しているエアコンを買い替える必要はなく、引き続き使用することができます。
基準となるのは、通年エネルギー消費効率(APF)
今回適用される新たな省エネ基準では、年間のエネルギー消費量を評価する通年エネルギー消費効率(APF)の基準値が大幅に引き上げられます。これはエアコンが1年間を通じてどれだけ効率よく電気を使えたかを表す指標であり、1年間の冷暖房に必要な能力を消費する電力量で割って算出した数値です。数値が大きいほど省エネ性能が高く、電気代が安くなります。
ラベルでチェック! 省エネ基準の見分け方
2027年のエアコン省エネ基準(トップランナー制度の目標年度)は、すでに2022年頃から段階的に導入・表示変更されており、現在販売されているほとんどの新品のエアコンは、この2027年度目標基準に対応した表示になっています。2027年省エネ基準をクリアしているかどうかは、主に商品に貼られている『統一省エネラベル』を見るだけで判断できるようになっています。
①マークの色
緑=合格、オレンジ=基準未達
色だけで判断ができるようになっています
省エネ基準達成率100%以上
省エネ基準達成率100%未満
②達成率(%)
2027年度目標基準に対する割合で、100%以上が合格ライン、数値が高いほど省エネ性能が優秀です
③APF(通年エネルギー消費効率)
数値が大きいほど省エネ性が高く、容量によってAPF基準は定められています
(※APFはこちらを参照)
④★マークの数
市場における製品の省エネ性能を高い順に5.0~1.0までの41段階で表示しています
⑤年間電気料金(目安)
該当機器を1年間使用した場合の目安となる電気料金を表示しています
統一省エネラベルを使った家庭用エアコンの選定ポイント
STEP1
使用する部屋に合う冷房能力(kW)のエアコンを選ぶ!
冷房能力(kW)ごとに対応する部屋の広さの目安(畳数)があります。
STEP2
省エネ性能(★マーク)の数の多いエアコンを選ぶ!
★の数が多いほど、省エネ性能(エネルギーを効率的に使う能力)が優れています。
STEP3
年間の目安電気料金の小さいエアコンを選ぶ!
冷房能力や★の数が同じでも、年間の目安電気料金が違う場合があります。
業務用エアコンへの影響は?
業務用エアコンは、すでに省エネ性能向上の流れの中でモデルチェンジや高効率化が進められているため、直接的な影響は家庭用エアコンほどありません。
ですが、業務用エアコンにおいては、地球温暖化係数(GWP)の高い冷媒を段階的に削減する『フロン排出抑制法』への対応が進んでいます。現在はR32冷媒を採用した機種が主流ですが、将来的にはさらに環境負荷の少ない次世代冷媒への移行が予想されます。こうした省エネ性能の向上や冷媒変更には、技術開発や部品の改良が必要となるため、今後は業務用エアコンの本体価格が上昇する可能性があります。
新たな省エネ基準が適用される機種は?
家庭用エアコン
壁掛形ルームエアコン
2027年度以降
⇒新たな省エネ基準が適用
家庭用エアコン
壁掛形以外・マルチタイプ
2029年度以降
⇒新たな省エネ基準が適用予定
業務用エアコン
⇒すでに省エネ基準対象
とはいえ…今後も価格上昇や高効率機種への移行が進む可能性があります
! 省エネ性能の向上による製造コストの増加
! 原材料費・物流費・人件費などの上昇
! 冷媒規制への対応による開発コストの増加
! 需要の集中による納期・工事日程への影響
現在お使いのエアコンをチェックしてみましょう!
エアコン2027年問題は、現在お使いのエアコンを見直す良いタイミングです。これを機に更新を検討してみてはいかがでしょうか。
家庭用エアコンの場合は、使用年数、冷暖房の効き具合、電気代、フィルターや内部の汚れ、不具合の有無などを確認しましょう。設置から10年以上経過している場合や、効きが悪い、音が大きい、水漏れがあるといった症状がある場合は、専門業者による点検や更新をおすすめします。一方、業務用エアコンの場合は、機器単体の状態だけでなく、建物全体や業務への影響も含めて考える必要があります。何台の室内機がどの室外機につながっているのか、故障した場合にどのエリアが使えなくなるのか、更新工事中に営業や業務を止める必要があるのか、といった点も確認しておくと安心です。
エアコンの更新や点検など、困った際は弊社にご相談ください!
《フリートーク・コラム》「海が変わる」
何気なく防波堤から海面を覗くと、見慣れない黄色っぽい小魚が泳いでいる。なんだろうとしばらく見ていると、身を翻してその全体が見えた。ツノダシだ!ここは日立市の海。ツノダシはいわゆる熱帯魚である。
地球温暖化が騒がれ始めてから随分経過し、実際に気温が上昇している事は誰でも体感できる事である。しかし、そればかりでなく、いや正しくはそれに伴って、自然界に大きく影響が出ている事を最近になって体感した。
私は趣味で釣りをするのだが、始めたのは小学生の頃であるから、かれこれ釣り歴は四十年以上になる。茨城在住である私は主に日立市周辺の海に行く事が多い。釣りや魚に興味の無い人は知らないかもしれないが、千葉と茨城では同じ海が繋がっているのに不思議なほど釣れる魚が違う。少し例を挙げれば回遊魚ではサバやイワシは千葉でも茨城でも釣れるがアジは茨城では非常に少ない。根魚だと茨城以北ではアイナメが多くカサゴは殆ど居ないが千葉以南だとカサゴも多くハタ類も居る。千葉以南では一般的なカマスやメジナ、イサキなども茨城ではまず見掛けない。これは子供の頃から解っている常識だった。
学校で習う通り、太平洋側の海は銚子を境目に暖流と寒流があり、千葉は暖流系の魚が居るのに対し、茨城は寒流系の魚となるからである。
でもそれはいつの間にか古い話となっていて、先程の表記は「少なかった」と過去形で表すのが現在は妥当である。長い月日の間にアジやカマス、メジナなどが茨城の海でも普通に釣れる様になっている。気温の上昇に伴って海水温も明らかに上昇しているのだ。
冒頭のツノダシの存在には驚いたが、流石に生息している訳ではなく死滅回遊魚の類であろう。死滅回遊魚とは暖かい海の魚が海流に乗って寒流の海域に来てしまったものを言い、季節が冬に向かい海水温が下がると文字通り死滅してしまうのである。それでも海流で運ばれてしまうほど近くの海域にツノダシが生息している事は間違いない。
温暖化は確実に進行している。寒流系の魚たちは更に北の海に移動してしまうのか、死滅してしまうのか。昔は防波堤の潮間帯にビッシリ付いていた貽貝(イガイ)が今は意外な程に居なくなっている事に気付いて少し怖くなった。
原発が停止し、火力発電所がフル稼働で化石燃料を燃やし続けている現状に、個人がまめに便器の蓋を閉めたところでCO2発生の抑止など微々たるもの過ぎる。何かすべきかと考える反面、実際は魚達と同様に我々も変わりゆく環境に飲まれるしかなく、でも自分が生きている間はまだ大丈夫か。などと無責任な結論に辿り着いた。
海がこれだけ変わっているなら山も変わっているのだろう。茨城の山に熊が出るようにならないことを祈るばかりである。
今月の担当は…
つくばチーム
清水 克朗
《それってドーシテ?》半夏生とタコのドーシテ?
《社長コラム》
環境整備はフィデスの原点
代表取締役社長 細矢 充
早いもので、並木会長が旅立たれてから2年が経ちました。今でも、「会長ならどう考えただろう」「きっとこう言うだろうな」と自問自答することがあります。会長が最後まで大切にしていたものの一つが『環境整備』でした。
働き方改革などまだ存在しなかった35年ほど前、全社員が寝食を忘れるほど、目の前の仕事に必死でした。現場を無事に完成させたい。お客様に喜んでいただける良い仕事をしたい。ただその思いだけで走り続けていました。そんな中、会社の基本方針として環境整備が掲げられました。毎日掃除、整理整頓で、仕事せずに掃除をしている時もありました。
バブル崩壊後、経営が決して楽ではない状況の中で、「そこまで環境整備をする必要があるのか」「もっと他にやるべきことがあるのではないか」という声があったことも事実です。価値観が合わず、会社を去る仲間もいました。会長の心中は、はかり知れないものがあったと思います。
しかし、会長が伝えたかったのは、決して掃除そのものだけではありません。『挨拶をする』『時間を守る』『約束を守る』『報告・連絡・相談をする』『使った場所をきれいにする』『整理整頓をする』そうした、人としての基本を整えることでした。
会長は、“どこへ行っても通用する、人としての大切な素養”という意味で、環境整備を『嫁入り道具』とも表現していました。実際に環境整備を続ける中で、社員の意識は少しずつ変わりました。協力会社様との連携も深まりました。そして、お客様との関係も変わっていきました。
ありがたいことに、「社員は真面目で親切だ」「城南(フィデス旧社名)なら安心だ」「困ったらまず城南に相談」そんなお声をいただく機会が増えてきました。直需のお客様が増え、フィデスが今日まで存続できている背景には、この環境整備の積み重ねがあったと確信しております。
また、会長は「環境整備のオーラは相手に伝わる」と話していました。その代表例が電話対応です。電話では顔が見えません。年齢も分かりません。資格も技術力も分かりません。しかし、不思議なことに、親切さや誠実さは伝わります。2コール以内に受話器を取る。声のトーンや言葉遣い、受け答えの一つひとつに、その人の姿勢や会社の文化が表れます。整理整頓された現場、丁寧に作成された書類、迅速な報告や対応も同様です。そうした小さな積み重ねこそが大切であり、お客様の安心感を生み出していくのだと信じています。
私たち建設業は、多種多様な業種・企業が関わり、多くの人がそれぞれの持ち場で仕事を進めています。一つの建物を完成させるためには、高度な技術だけではなく、人と人との連携が欠かせません。だからこそ、そうした「あたりまえ」の積み重ねが大切になると確信しています。
環境整備とは、お客様に安心をお届けし、協力会社様が安全に働ける環境をつくること。そして、関わるすべての人との良好な関係を育み、より良い仕事につなげていくための活動であると考えています。
近年は働き方改革や労働時間規制が進み、長時間労働はもってのほかの時代となりました。効率や生産性も、これまで以上に求められています。ですが、どれだけ時代が変わっても、環境整備はフィデスの活動の原点です。
誰でもできます。ベテランでも、新入社員でも、社長でも。特別な才能も資格も必要ありません。あるのは「やるか、やらないか」だけです。改めて、私自身もまだ修行の途中であることを忘れず、率先垂範しながら、その価値を次の世代へ伝えていく責任があると感じています。
万一、お気づきの点や私どもの至らぬ点がございましたら、ぜひご指導いただければ幸いです。



